実をいうと私は以前、泥棒を雇っていたことがある。
報酬は月額20万円を与え、休みも与え、盗みを働かせていた。
泥棒は主体的に仕事ができる行動派だ。
なので泥棒の雇い主は私であったが、実際に私は盗みに加担したことはないと申し上げておこう。
雇っていた泥棒の仕事はというと主に窃盗だ。
その窃盗のやり方は極めて巧妙であり陰湿でもある。
泥棒の手口としては人の財布から金を盗むことだ。
例えば貴方の財布の中に千円札が9枚あったとしよう。
この泥棒はその内の1枚すなわち千円しか盗すまないのだ。
これはみんな気付かない!
なぜならば財布に千円札9枚!と常に把握してる人はいないんではないか?
4枚~9枚あたりは1枚くらい減ってもあまりわからないんじゃないか?
さっき1万円を使って9千円のお釣りを貰いたてなら気が付くかもしれない。5千円札とセットならわかりやすいかもしれない。
しかし千円札が1枚だけ無くなったとしても、あれ?どっかで使ったかなと自分を疑って気にしない人も多いことだろう。
泥棒はその心理を狙うのである!
しかも毎日だ。
では財布に9万円が入ってたらどうだろうか?
この泥棒はその内の1枚すなわち1万円札しか盗すまないのか?
否!
この場合の手口としては財布ごと盗むのだ。
被害者は財布がない事に気が付くが、この犯行は朝イチに行われるため被害者は家に忘れたか、どこかで落としたのか自分を疑う。
しかし家に帰っても見つからない!そりゃそうだ泥棒が盗んだんだから!
貴方は翌日に交番にいく。
そしたらあった!誰かが届けてくれた!
でも9万円あったはずだが1万円しかない。
何のお情けじゃ!
でもヨカッター!!さすがニッポン(・∀・)
と思うのも束の間、
本当は私が雇ってる泥棒が盗って投げ捨てただけなのさ!
そう。貴方の財布は泥棒に盗まれ8万円を抜き取られ、お情け1万円残して外に投げ捨てられた!
そしてたまたま善人が警察に届けてくれた!
思いだすだけで腹立つぜwwwww
この俺が財布なんて落とすわけがないのだ。
なぜなら電子マネーしか使わないから財布を取り出す時は夜ご飯に行く時ぐらいだ。
だからなんか金が減っていくなとずっと不思議に思っていた。
あまりにも不思議だったので当時同棲していた女に聞いてしまった。
千円取ってる?と(笑)
いや盗ってるとは思っていないから念のためギャグでだ。
そしてある日売上金も盗まれた!
さらに、お客様から財布から金が減ったとクレームもあった!
間違いない。これまで数々のカネが消えてく不思議な出来事は、私が雇っている泥棒の仕業だと確信した。
こういった時は証拠はないが残念ながら疑われてしまう人がいるだろう。しかし大概がそいつが犯人の確率が高い。
しかしやはり証拠なしに疑うのはよく無いから私は緊急ミーティングを開いた。
がその前にミーティング前日に私は9千円を用意し鉛筆で印をつけておいた。
そしてミーティング前には私の財布から見事に千円札が1枚減っていた!
そしてその泥棒は私のオトリ捜査であえなく御用となった。
しかしながら月額20万円を与え、盗みを働かせていた泥棒を雇っていた自分が憎い。
そんな泥棒を採用してしまった自分が恥ずかしい。
この世のすべてはカネだと思っていた私であったが、この時ばかりはカネよりも大切なものを失った気がした。