私は過去に美容業界の低価格サロンが台頭し「激安店」を嫌忌していたきらいがあった。
過去のブログを読み返してみると、少しだけアンチ激安店の傾向があるようにも感じたw
なるべくフェアに書いたつもりであったが当時ではそんなことを思っていたのかと少しこっぱずかしくなった。
しかしながらアンチ激安店の商売人はどの業界も多いと感じている。
例えば100円の回転寿司が台頭した時、自称ホンモノとやらの寿司職人は、あんなの寿司じゃないといっていただろう。
例えばファストファッションが台頭した時、自称ホンモノとやらのアパレル業界人は、あんなのファッションじゃないといっていただろう。
理美容業界もそうだ。1000円カットが台頭した時、自称ホンモノの理美容師は、あんな激安店に行く人の気がしれないと、むしろ消費者のせいにする始末であった。
こういった傾向のある産業・業界は多いのではないだろうか?
しかし気がつけば消費者はそちらを支持するようになり、みなさんが嫌忌する激安店にシェアを奪われてしまった。
そして笑ってしまうのが、商売では激安店を嫌忌しておきながら、100円の回転寿司を利用している人間であるw
「価格」が安いものというのは全てのものに対して昔からあったわけである。
19世紀の産業革命以降の技術革新などにより、合理化や効率化が可能となった経済の変遷ともいえる。
しかしここで大きな勘違いがあるとすれば「価格」と「物価」は違う。
本来であれば、安い「価格」にすることにより利益率が下がるはずであり企業にとっては自らの消耗戦である。
激安にすることで、勝手に「損」をしてるだけなので激安店なんかほっとけばいいはずである。
しかしなぜ多くの消費者は「低価格」を支持しはじめるのだろう?
これがデフレ環境下になると、相対的な全てのモノ・サービスの価値、すなわち「物価」が下がるので「価格」が安いほうを買うことが消費者にとって「得」になってしまう。
つまり「価格」を安く設定している激安店を嫌忌することはお門違いである。
いくら自称ホンモノの寿司だろうが、自称ホンモノのファッションだろうが、自称ホンモノの理美容だろうが、デフレにより「物価」が下がれば、自称ホンモノのモノ・サービスの価値は下がる。
嫌忌するべきは「価格」ではなく「物価」であり、つまりデフレである。
それでも激安店を嫌忌し続けるならば、
「日本経済をデフレから脱却させたい」
ということで、安物を買わないことを信条にしてはいかがだろうか?
断固支持するw
生産者も消費者もほぼ同一人物なので、デフレにより経済的合理性を求めていけばいずれ、激安だった「価格」がいつの日か普通の「価格」と感じるようになっていきデフレスパイラルとなり所得が下がる。
デフレの本当の恐ろしさは「物価」が下がることよりも人々の所得が下がり貧困化してしまうことである。
所得が下がった人々は「価格」が安いほうを支持するのは自然な流れである。