そういえば私は過去に美容院を2店舗売却したのだが、2店舗を売るとしたら一体いくらで売れたのか?たまにそう聞かれることもあったので今回ネタとして公開してみたい。
みんなお金の話しは大好きだからなwそれに聞きづらいということもあるだろうし、私としても言いふらすわけもなく、テナントなどの保証人だった親ぐらいにしか伝えていない。
もうそろそろ2年も経つしいいだろう。情報としても参考になればと思う。
事業譲渡なので今も健全に営業されているようで関係者もいるからざっくりとお伝えする。
まず美容院の場所は、
池袋駅西口 徒歩5分 約15坪(平均坪単価は約2.2万円)
新宿駅東口 徒歩3分 約20坪(平均坪単価は約2.7万円)
これを従業員10名ぐらいで回していました。
席数はそれぞれ6面で客単価は9,500円前後。
生産性は60~70万円ぐらい。
過去ブログに散々書いたが決して繁盛店ではないでしょう?2月などには60万円を切っていたこともあった。
途中までは生産性80万円以上はキープできてたからそこそこ良かった時もあった。2店舗目以降を考えると完全に投機を見誤ったよ。
当時はエクステンションという付け毛が売上の約30%を締めていた。輸入品なので2012年のアベノミクス以降ドル高円安のコストプッシュインフレにより仕入値高騰、さらに消費税増税による価格転嫁に失敗し、そして広告費も高騰し費用対効果は激減。
こりゃこのままじゃ数年後まずいなと、やれることはまだまだあったと思うが私は廃業を選択した。
赤字ではないので事業譲渡しようと考え無事に売却することが出来たが、2店舗売ったって一体いくらで売れたのさ?
2店舗合わせて、16,000,000円で売ることができました。
貴方だったら売りますか?
「価値観」とは人それぞれ違うでしょう。また評価方法にもよるし、高いと思う人もいれば安いと思う人もいる。
しかし売り手の私からしたら上出来でした。専門家が財務諸表を見たら赤字でなくとも評価はもっと下だったはず。
片方は信頼あるスタッフに妥当な頃合いで譲ることができたが(多分w)もう片方は諸所問題があり弁護士沙汰になってしまった。
美容院はオーバーストア状態で良いビルには大体美容院が入居している。それでも出店需要があるし、すぐには売却できなくてもいいからと私は強気で交渉をしていた。
もしも貴方のサロンがデフレに苦しみ消耗戦に突入しているのならさっさと売るか合併したほうが得策だと思いますよ。残念ですが。美容業界の経済環境からして今後も厳しいと私は判断してます。市場規模ベースでの業界の好転は皆無に等しい。いつまで縮小し続ける需要のパイの奪い合いをやりますか?
譲渡後の残してしまった従業員への懺悔ブログは過去に書いたのでここでは書かない。しかしもっと深刻なことになりかねない。廃業と倒産は別物です。
それとブログやSNSで発信してる美容師は比較的勝ち組です。あまり儲かってないサロンがマジョリティということを私は知っています。
しかしながらその時はちょうどオープンニングからいたスタッフが独立したい話、もう一人は別サロンへ異動したい話、もう一人は寿退社の話など、数年前から何となく聞いていたことが重なる時期でもあった。
さらに私的なことだが私も結婚式場をキャンセルした時期だったので、こりゃもう解散して私も好きなことをしようと考えてしまった。
もともとナインオクロックは美容院独立前からやろうとしていて、理想としては美容院を完全に経営側に回りつつ別事業としてナインオクロックをやろうと考えていた。
しかし甘かった。美容業界はデフレスパイラルの超レッドオーシャン。だから市場から淘汰される前に自ら市場から退場しました。まぁアパレル業界も同じくらい疲弊してるみたいだけどw
だけどそのおかげで移住して起業できたので良かったと思っています。あのままだったらOEM会社に丸投げTシャツを通信販売して終わっていたでしょう。
当時は30歳。婚約者ともオサラバし廃業し無職となった私は1600万円の現金を手にしウハウハ状態であった。
でもね、言わずもがな成功者モドキだったんですね、
そもそも論として事業もうまくいってなかったんで逃げただけなんです。
まさかここから1年以上もネオニート生活をするとは思わなかったよ。一体なにをやっていたんだと今は少しだけ後悔をしている。
金なんてあっという間に無くなる。何もしなくても前年の消費税、譲渡所得にも消費税、所得税がかかるから、金なんかいくらあっても足りやしねぇwなんでその間働かなかったんだろう。金あるしいいかなって、株とFXで儲けてた。でも溶かしちゃったから馬鹿だった。東南アジアにいってる場合ではなかった。ご利用は計画的に!
もっと早くナインオクロックを立ち上げるべきだったと。そう焦り始めたのが今年の3月。4月末に移住し1ヶ月後にはスタートできたけど、ここまでくるのに色々あったが残りの金はすべてナインオクロック株式会社に全力投資!全力LLL!全財産LLL!
この金が尽きた時、ナインオクロックが終わるかもしれない。そのXデーは2018年のいつかだ。来年は大丈夫w
とはいえ、金が尽きるのは売上が上がらないということだからナインオクロックというブランドは必要無い。市場がそう判断したといえるだろう。
人生は実におもしろいぞw
後付けだけど色々繋がるんですね、美容院で独立し失敗し何とか売った金でブランドが作れた。デフレに苦しめられ市場から淘汰された経験は、今後のTシャツ市場におけるデフレ脱却への糧となるでしょう。
乗れるのか、乗れないのか、このビッグウェーブに!
しかしながら、健全にサロンを経営されている方を見ると羨ましくもあります。もっと自分もうまくできたのではないかと。後悔はしていませんが、新規出店や値上げをしているサロンさんを陰ながら応援しています。
そんなお洒落な美容師さんにおすすめの無地Tシャツがナインオクロックw