香取正博のブログ

東京から岩手に移住して起業した香取正博のブログです

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薬局屋の社長が言う、薬を売ってるけど薬は飲ませたくないという話

 

先日、久慈地域でわりと有名なとある薬局屋さんの社長と話す機会があった。

 

少し前に寿司屋で知り合ったのだが、その時に軽くおっしゃっていた患者向けの肌着をつくりたいということを聞いたので再度詳しくお話しを聞きに行った。

 

患者向けの肌着とは、皮膚の弱い方用であるのだがTシャツをつくってる私としてはとても興味深いお話しであった。

生地や縫製が肌に優しいとか、着心地がいいとかそんなレベルの話ではなく、恐らく現代では不可能に近い内容であった。

このあたりの概要は聞いた話なのでヒミツにしておくが、ぜひとも将来的には開発投資をおこないたいと思ってしまった。まぁそれができるぐらいの資本形成をしなければならないのだが。

 

ところで不思議に思うのだが、数百億円規模以上のアパレル会社はたくさんあると思うのだが、なぜ糸や生地、衣料に関するあらゆる技術の開発投資をアパレル会社自身は行わないのだろうか?

ここでも分業制なのか、リスクを取らずして良いモノ・サービス・技術は生まれないのではと考えてしまった。しいていえばファーストリテイリングぐらいか、

 

話を元に戻すと、ではなぜ薬局屋が患者向けの医療ではなく衣料の肌着をつくりたいと考えているのか貴重なお話しを聞けた。

 

社長が言う。究極は患者さんに薬を飲ませたくないという。

薬局屋が何をいってるんだと思うかもしれないが、おこがましくも「さすが社長だ」と思ってしまった。

 

実店舗にも伺ったのだが、薬局屋とは少し違うような雰囲気であった。薬はもちろん販売しているが食品から日用品、美容品も売っている。ただそれは何でもある大手ドラッグストアとはまた違う。

 

社長は言う。うちに置いてある食品や日用品、これらをスーパーにただ置いてあるだけじゃ全然売れないだろうと、

価格もそれなりに高いのはもちろん、確かに健康的にも良いモノを置いているがそれだけじゃ売れないと、

薬局屋は薬を販売しているが、ただ薬を飲ませ病気を改善し健康を維持させることだけじゃないという。

 

究極は薬を飲ませたくないから、そのために患者さんの私生活の衣食住、そして美から見直して健康になってもらいたいという。

薬剤師として選んだものを必ず患者さんにサンプルやテスターを渡したり、無料で貸し出し自宅で使ってもらう。本当に効果を感じてもらえたら薬と一緒に買っていってくれればという。

また定期的に無料で色んな健康診断のようなものができる健康フェスなるイベントなども開催されたりもしていた。

だからそれによりせめて薬を飲む量や回数が減ってくれればいいと。薬を大量に売りたくないという。薬屋なのに(笑)

 

そこから皮膚患者向けの肌着の話に繋がるわけだが、いやはや成功してる人や社長は、みんな本質は同じようなことを考えているんだなと確信した。(ご本人は成功してるなど思ってないかもしれないが)それにしても実行もされているわけである。

 

このような本質を知り、学び、気づきがあったとして、ではTシャツを売るナインオクロックとしてはどう実行したらいいのだろうかと考えてしまう。

服やアパレルにはどう当て嵌めればいいのか、ファッションで素敵にすることとはまた違う。これはアパレル業界のこれからのテーマなのだろうか。

 

究極は、服を着ないで裸で生活できる世界を提案することなのか?

 

また良からぬ事を考えてしまった私の悪い癖

 

しかしながらひとつに、衣料における既製品の概念を変えたいと考えている。薬局屋の社長と話をして感じたことは概ねそんなところである。