去年、私は会社員となったが、転勤という片道切符の島流しにあい、パソナ島、あっ！間違えた！淡路島に住んでいたことがあった。
その淡路島で、少しだけだが生まれて初めて農業を体験させてもらった。色々あったが色んな経験ができたことは素直に感謝している。
夏ということもあったが農作業はとても重労働だった。あれを高齢者がやっていると考えるだけで凄いなと感じた。
そして淡路島は玉ネギが有名だが、コンテナ１０個分の玉ネギを手作業で収穫したが販売価格と利益を計算してみてとても驚いた。
あんなに重労働で苦労したのにこんなにも利益が低いのかと。天候にも左右されるとはいえ、もっと高くてもいいのではないかと率直に思った。ここにもデフレの悪影響も少しはあるのだろうか。
玉ネギ以外にも色んな野菜を収穫したが、個人的には大根を引っこ抜く作業が一番好きだった。スポッ！とした感覚がたまらん。
土のついた大根を水で洗うが、大根はとても白くて美味そうだった。野菜嫌いの私ですらそう思うぐらいだ。穫れたて大根を丸かじりしてみたが、やはり私は野菜が嫌いであった。
さて、白い大根には様々な形がある。綺麗な形から不細工な形、細長い大根から短小な大根まで様々である。
そこで何人かに聞いてみた。
様々な形の大根を５つ並べてどれが美味しそうか？
なぜか不思議と多くの人がほぼ全て同じ大根を選ぶ。姿形、色が美しい綺麗な大根を選ぶのだ。
同じ産地、同じ時期の同じ大根ですよ？同じ味なのにw
これは人間が直感的に大根の美しさを判断しているのだ。同じ産地、同じ味なのに選択肢があればわざわざ不細工な大根を選ばない。
確かに野菜には色・形で美味さは判断はできるかもしれないが、一瞬で目利きできるのはかなりのやり手主婦ぐらいだろう。
これは論理的に説明できない人間の感性や美的感覚なのではないかと思うのである。
この白い大根の話は、白いＴシャツにもいえると考えている。
世の中には白い無地Ｔシャツの種類が数えきれないほどある。しかしどれも白いＴシャツだがそれぞれに姿形が微妙に違う。まるで大根のように。
そこで1,000円のＴシャツから19,000円のＴシャツを様々な価格、ブランドを１５枚以上購入してみた。
ここには明らかに安っぽいＴシャツやダサいＴシャツは含まれない。ダサくなりたくない私が着てもいいＴシャツしか買っていない。
ここで白い大根と同様に、何人かにどの白いＴシャツが欲しいか聞いてみた。ブランドや値段は伏せてどれが欲しいか？
衣料となれば好みもあるから大根と同じ結果にはならないが、それでも不思議と多くの人が２つ３つ同じＴシャツを選ぶ。姿形、色が美しい綺麗なＴシャツをだ。
同時に同じような白いＴシャツなのに全く選ばれないＴシャツも多い。有名なブランドであってもだ。
生地の厚さや素材を見て触り、人間が直感的にＴシャツの美しさを判断しているのだ。同じようなＴシャツなのに選択肢があればわざわざ微妙なＴシャツは選ばない。
しかし衣料には食料に比べ「ブランド」と「価格」がやっかいとなる。
先ほど多くの人が選んだ無地Ｔシャツは１枚10,000円だ。それを伝えるといくら有名ブランドだとはいえ、だったら似たようなもう少し安いＴシャツを買いたいという。
そりゃそうだ、一般消費者であればたかだか無地Ｔシャツに10,000円は出したくない。
しかしここでのポイントは「値段」ではなく、同じような白いＴシャツにも素敵さの「優劣」があるということだ。現に19,000円のＴシャツはあまり選ばれなかった。値段が高いからといって素敵とは限らない。
「何か」かっこいい、「何か」素敵！と、この「何か」は論理的に言葉で説明することができない。誰もが無意識に直感的な美的感覚で判断しているのだろう。
たかだか無地Ｔシャツでもディティールや素材感による魅せ方しだいで変わる。そして視覚的に欲しい！と思わせることができるのではないかと考えている。
ナインオクロックは、そんな「何か」素敵！「何か」かっこいい！というこの「何か」を提供できたらいいなと思っている。至高の国産Ｔシャツが出来上がりそうだ！
ひとまず大根Ｔシャツでも作ってみるか、
飛ぶように売れたらどうしようｗ
