最近よく近所の立ち飲み屋で一人飲みをしている。
ここはビール1杯250円。ハイボール300円。枝豆、冷や奴、ポテトフライが各150円。テーブルにあるお好み焼きは100円だ。
あれだけデフレ云々といいながらも消費者としては素直に安いことは嬉しいw
以上で1100円だが、これが一般的な価格の居酒屋であれば2000円以上はかかるところだろう。
安くすんだ約1000円は消費者利益として私の懐に残った。
先日、スポーツ店でウインドブレーカーを購入した。ジョギングをしているので冬に向けほしかったのだ。
実はこれはレディースである。といってもLLだったのでちょうどよかったのだが、メンズだと値下がりしておらず、レディースLLだけ値下がりしていたのだ。
あれだけ日本経済をデフレから脱却させたいといいながらも消費者としては素直に安いことは嬉しいwしかもアディダスだ。
ここでも安くすんだ約6000円は消費者利益として私の懐に残った。
さてここで、飲食・衣料代が消費者利益として約7000円が残った。
この残った7000円で、寿司やステーキを食べたり、ブランド品を買ったり、レジャー代にも回せることだろう。
よってデフレ環境下では基本的にはゼロサム市場と考えれば、生産者にとって競合は必ずしも同業とは限らない。
ただ消費者側からしてみれば、多くの人が安くて良いものが手に入る日本経済はとても素晴らしいじゃないかと考えてしまう。さらにデフレでもいいじゃないか、物価が上がるなんて嫌だと。
例に出した私の実際の消費行動からしてもそう思ってしまうだろう。
しかしこれを是とするならば、主流派経済学でいえば「需要と供給は必ず均衡する」ということが前提であるといえるだろう。
だがしかしここで厄介なものがある。
それは貯蓄と借金返済だ。
余った7000円の全てを私が必ず使うとは限らないのだ。
翌日に2000円のステーキを食べたとしても余った5000円は貯金をしてしまう可能性があるし、もしかしたらクレジットカード支払いや事業主であれば借入金など借金返済に回すかもしれない。
つまり貯蓄と借金返済は、消費を生まず、現実に市場に現れる「需要」とはならない。
デフレ不況の原因はこういった需要縮小による総需要の不足によるものである。
そこでさらにデフレ不況により、将来に不安を抱き始めた人々は、買え控えをし貯蓄に精を出し始めるだろう。
そしてデフレスパイラルに陥り、いずれ総所得が下がっていき、人々は各種ローンなどの借金返済が重くなり、さらなる買え控えが起こり始める。
そうなれば少しでも安くて良いものを選ぶという消費行動は合理的となり、貯蓄が美徳とされる日本人はより需要縮小によるデフレに陥りやすい国といえるだろう。
ともなれば「需要と供給は必ず均衡する」という主流派経済学は、セイの法則に基づくインフレ経済を前提としており、総所得が下がり続けた現在のデフレ経済においては整合性がとれていないと考えてしまう。
ゼロサム市場というよりもマイナスサム市場とも言えるかもしれない。
ますますデフレというのは厄介だなと考えながらも安物を買って喜んでいる自分自身が、まさに「合成の誤謬」というのだろう(笑)
ただこの合理的に安いものを買うことは消費者のせいにしてはならない。
だから景気の気は気分の気なのであるw