香取正博のブログ

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トマピケティの美容師の格差問題

このエントリーを読むだけで、ピケティ氏を理解できるはずですw

 

先日、某有名カリスマサロンにカットしにいってきましたw

初回カット6500円のサロンでしたが中々お忙しそうでありました。

 

さて、需要のパイが限られている中で、とあるサロンの売上が上がっていると、

反対側でどこかのサロンの売上が下がっている。

そんなはずはない!と思われた方、
そんなはずがなかったら、美容業界の市場規模は拡大しているはずなのです。

そして需要のパイと同様に、

所得のパイが限られている中で、とあるサロンオーナーが一億円の所得を得てしまうと、

反対側で不特定多数の美容師の所得が減っている。

これはGDPの三面等価の原則によるもので、

こうなると必ず美容師同士で格差が生まれる。


開かれた自由な市場において、競争をすることは大事である。

しかし市場規模低迷を受け、需要=所得のパイが限られている中で、

自由すぎる競争をしてしまうと、ほんの一握りが莫大な所得を得てしまう勝者が生まれてしまったら、

敗者は小さな所得しか得られない。

 

なにも仲良し子よしで皆同じ所得が理想といっているわけではない。


この格差の問題は、現在の世界経済の問題でもあり、

昨今の美容業界でも起きていることなのです。

 

これは市場原理主義者や新自由主義者が好む、

自由市場こそが経済成長の源泉だと主張するものである。



「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」



年収一億円のサロンオーナーが、その豊かさでサロンを出店または投資し、

美容師の雇用を生み、美容師の所得が増えるだろう。

 

さらに年収一億円のサロンオーナーが、その豊かさで衣食住に大金を使い、

様々なモノ・サービスに消費してくれることにより、

様々な生産者にとっては売上が上がり、所得が増えるだろう。

 

これがトリクルダウン理論という仮説だが、

 

冷静に考えると、現在のデフレ下である環境だとこのトリクルダウンは成立しないのだ。

 

もともと供給過剰であった美容業界に低価格サロンを出店されると、

さらなる価格競争により市場規模が縮小し、美容師の総所得が下がってしまう。

 

洋服代も毎月100人分以上買わないだろうし、

高級食材をたらふく食べようが満腹になったら終わってしまい、

高級住宅を買おうが住もうが数軒あれば十分になるだろう。

 

なんだが僻みのようにも聞こえるだろうがw

 

もちろんデフレで総需要不足なので、お金持ちはガンガンお金を使ってもらうのは賛成である。

 

しかし結局は一人で100人分以上1000人分以上の消費はできないのである。

 

余ったお金は、時計や車などのお金を生まない資産となり、

他人の所得とならない不動産資産や金融資産となり、

さらにヒト・モノ・カネの自由化がされた現在では、外貨運用や海外投資などにより

結局は国内の庶民には富が滴り落ちるのはほんのわずかなのである。

 

ポイントは、国内の誰かの所得になるように消費することが大事なのである。



資産家や投資家の、株や不動産、低価格サロンなどの資産運用から得られる利益率(リターン)

 

 

労働者が働いて得る所得の伸び率、つまりGDPという経済成長率(グロース)

 

 

リターンが拡大し続けて、グロースの伸びがいまいちである限り、

 

つまり  である限り、

 

それは間違いなく格差が広がると主張し、過去100年分のデータをもってこれを証明したのが

 

最近話題のトマ・ピケティ氏である。

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少数が富を得るよりきちんと分配できるように、全ての美容師が一律に所得が上がりつつ、

そこから健全な競争をして能力のある勝ち組がさらに所得を得ながら、

美容業界を盛り上げる方向が理想的だと考えているのです。

 

それが一億総中流といわれたかつての日本型資本主義が高度経済成長をもたらした!と私は考える。

 

低価格サロン・業務委託サロンで働く美容師の所得は一般サロンに比べ高いことが

現在の美容業界の大変難しいところでもある。

 

しかし冒頭で述べた、

需要のパイが限られている中での、市場の健全な競争を阻害するほどの低価格競争と、

所得のパイが限られている中での、あるサロンオーナーが1億円の所得を得てしまうと、

格差が極端に広がってしまう。

 

私のように競争に敗れてしまった美容師は、

 

美容が好き、高給を得たい、ずっと美容師しかしていない、

 

ということで残念だが、低価格サロンで働くしかないんです。

 

しかし、低価格サロンで今は高給だとしても、

マクロ的に全国の全体の美容師の総所得は減っており、

5年後以降、このモデルは大変厳しくなり、より格差も広がると予測しています。

 

勝ち組も負け組もライバルではあるが敵ではない。

 

美容市場規模の発展について一緒に考えることが大事である。