香取正博のブログ

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香取 正博のブログ

欺瞞に満ちた国産ブランド、ファクトリエの4つの嘘

ファクトリエというファッションブランドを御存知であろうか?

 

日本の縫製工場を救うファクトリーブランドと謳っており、日本のものづくりに拘ったメイドインジャパンを代表する?ブランドである。

ここ数年ではNHKをはじめメディアから取り上げられているそれなりに話題性のあるブランドである。

 

しかしながら私はこのファクトリエというブランドに対し違和感がある。

はっきり言えば、欺瞞に満ちた偽善ブランドだと考える。無論、偽善だとしても行動しないよりマシではあるが、

しかし欺瞞でありながらそこに気が付いていない人達も多く、またメディアもファクトリエの取り組みを礼賛してる傾向があるので、今日はそのあたりの欺瞞といえる部分を指摘されたい。

 

欺瞞とは、人の目をごまかし、だますこと。

 

ファクトリエ代表の山田氏はまさかそんなつもりでブランド展開しているとは全く思わないが、しかし無意識にも「嘘」が形成され結果として欺瞞に満ちてしまっているのではないか。

物事(ビジネス)を進めていく上では客観視することも大事なので、同じ国産衣料品を扱う者として、国産ブランド・ファクトリエの4つの“嘘”をご指摘されたい。

 

 

謎の“適正価格”の嘘

 

 

ファクトリエでは、高品質な商品を従来の1/2以下の価格で提供するという、謎の適正価格を設定している。

参照:ファクトリエについて | Factelier (ファクトリエ)

 

そもそも「従来の1/2以下の価格」とは何だろうか?

自由市場では、国産衣料品であっても低価格~高価格までとピンキリである。

ファクトリエが設定している適正価格というのが本当に適正ならば、これは低価格の国産衣料品がまるで適正じゃなく廉売しているということになる。

たしかに低価格を実現するには流通経路にいる“誰か”にしわ寄せがいく可能性はある。

だがファクトリエが焦点をあてる縫製工場でいえば、生産価格はロット数に大きく左右される。

Tシャツ100枚なら縫製賃は高くなるし、Tシャツ10,000枚なら格段と安くなる。

 

縫製工場は自らの”工場希望価格”を提示でき、工場に適正な利益を分配できる仕組みをつくったというファクトリエの言葉通りなら、適正価格というのは市場メカニズムのもと、すなわち生産ロット数の需要と供給で決まるということである。

”謎の適正価格” ここに嘘があるというのがおわかりだろうか?

 

 

 

縫製工場と取り分を折半の嘘

 

 

ファクトリエは工場と取り分を折半してるという。

この取り分とは、売上なのか利益なのかどちらなのか疑問に思ったことはないだろうか?

 

仮に売上を折半として考えてみる。

ファクトリエのTシャツは1枚6,480円だが、この半分すなわち3,240円が工場の取り分となる。しかし生地代1,080円(概算)を差し引いたらファクトリエの取り分は2,160円しか残らない。原価率70%弱であそこまでブランドが成長できるとは到底思えない。

 

では今度は利益を折半として考えてみる。

ファクトリエのTシャツは1枚6,480円だが、生地代1,080円(概算)を差し引いて5,400円が残るので、この半分すなわち2,700円がファクトリエと工場の取り分と推測できる。原価率60%弱となるのでこちらのほうがまだ現実的である。

 

しかし私が思うに、実は縫製賃はもう少し安く、取り分はファクトリエのほうが多いのではないかと推測している。

製造小売業では、試算した原価率60%~70%では殆どキャッシュが貯まらないビジネスモデルだ。取引先に相当長い支払いサイクルを押し付けない限りキャッシュと在庫が回らない。

潤沢な運転資金や補助金でもない限り原価率はせめて50%くらいに抑えないと事業拡大は厳しい。

とするとTシャツ1枚6,480円なら原価は3,240円(ファクトリエの取り分)

生地代1,080円(概算)を差し引くと縫製賃は2,160円(工場の取り分)

 

以上のことからファクトリエは工場と取り分は折半ではない「嘘」と推測できるがいかがだろうか?

そして前項で述べたとおり生産ロット数で縫製賃は左右されるから、ファクトリエはただたんに小ロット過ぎてコスト高いだけといえる。

 

 

 

広告費ゼロの嘘

 

 

ファクトリエは創業以来、広告費ゼロと謳っている。 が、

広告費ゼロとかいっていたがリターゲティング広告やFacebook広告をバンバン出している。

 

 

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おいおいおい嘘は行かんぜよファクトリエさんよ

 

 

 

 

ここで公式ファクトリエさんからリプライをいただけた。

 

 

 

 

こちらの嘘はお認めになったようである。

実際にいつから広告費を使うようになったのかはわからないが、広告費ゼロと豪語していた2017.4.24の記事までは広告費ゼロだったのであろうか・・・

 

 

 

「日本の工場を救う」という嘘

 

 

時々ファクトリエの記事を読んでいたが、首を傾げてしまうような発言を何度かみたことがある。

 

例えばこちらの記事から引用してみる。

【山田敏夫×伊藤羊一】米国式ブランディングを真似てもエルメスにはなれない | GLOBIS 知見録

 

山田:究極的には僕のエゴですよ。「日本から世界的なブランドをつくりたい」というのが一番にあります。そのためには工場が元気でないといけないし、消費者に「いいもものを長く使う」というエシカルな側面を持ってもらう必要がある。別に誰かを救いたいから、この事業をしているわけじゃない。ただ不器用なりに、正直に真っすぐでいたいという気持ちはあります。

 

 

えっ・・・日本の工場を救うっていってなかったっけ・・・

 

 

このような発言を何度かされていたので、日本の工場を救うってのは私の勘違いだったのかなとファクトリエさんのウェブサイトを見なおしてみた。

 

 

 

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日本の工場を救うブランドですって書いてあるやんけwww

 

これはさすがに失笑を禁じ得ない。草不可避である。

 

きちんと看板を書き換える等、何かしらの対応が必要ではないだろうか。

 

 

以上、ファクトリエの4つの「嘘」について取り上げてみたが、言っている事とやっている事が違うという違和感から、欺瞞に満ちた国産ブランドになってしまっているのではないか?

 

同じ国産衣料品を扱う者としてミスリード(人を誤った解釈へ導くこと)をしてる事に懸念を抱いております。

ファクトリエが守りたい救いたいものは工場ではなくマニアックな縫製技術だと思えてならない。もちろん技術の継承は重要であるがそれなら縫製技術の免許皆伝でも作成すればいいのではないか?

過度に演出したストーリー性のある話だけでは国内繊維産業の問題点は解決できないし、ファクトリエの取り組みではけっして工場を救うことはできない。

 

以下の記事も大変参考になります。

 

note.mu

 

 

 

ものづくり至上主義、モノヅクリガーの権化ともいえるファクトリエを本稿により今一度、冷静にみるきっかけとなれればいいと考えています。

そしてこのように、良い所・悪い所をはっきり見分け、評価・判定すること(これを辞書では“批判”といいます)によるものこそ、業界に蔓延る問題点や、業界の健全化に向けた建設的な議論ができるといえないでしょうか。

 

 

そういえばファクトリエ代表の山田氏は、過去に短パン社長のアパレル会社で勤務されてたみたいですね。

 

 

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参照:全ては「 小売店 」のために! | アパレルメーカー短パン社長こと奥ノ谷圭祐のアツいブログ。