香取正博のブログ

東京から岩手に移住して起業した香取正博のブログです

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ナイクロの社長が語るマスカスタマイジェーション!今後のアパレル繊維産業の行く末

 

アパレル業界がかつてない不振にあえいでいる。大手アパレル会社の売上高は激減。店舗の閉鎖やブランドの撤退も相次いでいる。アパレル業界と歩みをともにしてきた百貨店業界も店舗閉鎖が続き、「洋服が売れない」事態は深刻さを増している。

そこで今回、自称・人気無地Tシャツブランド9o'clockを運営する香取氏に今後のアパレル繊維産業の行く末を聞いてみた。アパレル市場になんの影響力もないナイクロの社長は一体どのように考えているのだろうか?

 

 

 

 

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ユニクロを越えるのはナイクロしかない!

どうもこんにちわ。総合アパレルメーカーのナインオクロック代表の香取です。

あっ今はまだ無地Tシャツしかないけどね!

 

(会場笑)

 

さて、多くのアパレル諸君はユニクロやしまむらにはもうお手上げ状態で、この上位2社はアパレル会社じゃなく流通会社と区別しているような始末・・・

ユニクロは工業製品、私たちはファッション!とはよくいったものです。

 

しかしMDやデザイン・パターンなど戦略を考えるうえでは上位2社を無視できるわけもありません。とはいえ、ユニクロと同じような事をやっても勝てるわけがない。

 

ランチェスターの法則によれば強者と全力で戦えば弱者は必ず負ける。

強者の基本戦略は同質化によるミート戦略です。

いくらこちらがモノヅクリガーとかファッションガーとかゲンカリツ50%ガーと差別化したところですぐにミートされてしまい奴らの「誘導戦」にハマってしまう。

でっち上げのストーリー性ある物語ももうお腹いっぱい!

打つ手なし!これまで多くのアパレル会社が逝ってしまった。

 

そこで我らがナイクロが思うに、弱者としての基本戦略は独自化することだと考えています。

広域にわたる総合物量戦では圧倒的資本には勝てないので、

「縫製の街」からの「局地戦」

そして、戦力(商品)を徹底的に分断する「陽動戦」を仕掛けるために、

「一点集中戦略」を実施する。

そのために今、無地Tシャツから販売をしています。

 

このように強者に「全力で戦わせない」戦いを仕向けているため、冒頭で述べられたとおり、市場になんの影響もない、また競合に相手にもされないブランド。それがナインオクロックです。

 
しかしそんな弱者の戦略を用いてもやはり限界があり、成功するには持久戦となりかなりの年月がかかってしまいます。だから2期目はビジネスモデルの変革が必要。

 

 

誰かが言いました(誰か忘れちゃった)

 

経営者とは、一歩先を照らし、二歩先を語り、三歩先を見つめるものだ。

 

なので私がイメージする今後のアパレル繊維産業の行く末、そして弊社の今後の取り組みとして、僭越ながら3つ提言してみましょう。

 

 

 

マスカスタマイジェーションの大衆化

 

産業革命以降、飛躍的に生産性が向上しました。

しかし我々は服を作りすぎた!

物量にものを言わせキッズサイズから4Lまで全サイズ全カラーを用意し消費者のニーズに応えてきました。

しかしこのような大量生産型は需要縮小の市場にはマッチしなくなってきました。

 

そこでテクノロジーの進化により、人間ひとりひとりにあったサイズ、カラー、そして「好み」に合わせ、多品種中量生産により超短納期で実現する衣のインダストリー4.0

同質化均質化が改善し、そして「リードタイム短縮」が国内生産の最大のメリットとなる。

マスカスタマイゼーションの大衆化!が「縫製の街」発で始まるでしょう。

 

 

 

デザインのフリー化

 

◯◯ブランドのTシャツが好き

◯◯が特徴的なこのTシャツが一番

この形この素材のTシャツが良い!

 

このようにTシャツひとつにしてもこだわりを持つ消費者も多いのですが、こういったブランド、特徴、形、素材などあらゆるデザインがフリー化します。

 

よって、

「今このブランドのTシャツが人気!」

というような話題自体が無くなります。

 

なぜならば上記マスカスタマイゼーションにより安価でいつでも何でもクイックに造れてしまうからです。すなわちコピーオーダーが簡単にできるのです。

この復元サービスを安価で提供し利用者が増えれば、デザイン・パターンのデータが蓄積され、市場に溢れるあらゆるブランドのTシャツ・カットソーのシェアを獲れます。しかも貴方の好みのサイズ、カラーにカスタマイズできます。

ナインオクロックのTシャツにブランドタグを付けていないのはこのような理由からです。

マスカスタマイゼーションとデザインのフリー化が、まずはTシャツ・カットソーというアイテムからスタートします。

 

 

底辺への競争の終焉

 

何処でつくっても同じモノ、同じ性能、同じクオリティなら経済的合理性の価値基準から安価な労働力でつくられてきました。それにより企業間競争が「価格」に収斂していきました。

人々も同レベルの品質のモノ・サービスなら「安さ」を求めるようになりましたが、

生産者=消費者でもあるため、回り回って所得水準までもが底辺へと向かい多数派の中間層が没落、そして賃金が均一化される傾向にありました。

 

しかしこのようなコスト削減を前提とした流通の効率化、そして利益最大化を追い求めたグローバリゼーションに基づく「底辺への競争」がまもなく終焉するでしょう。

 

マスカスタマイゼーションの大衆化が実現すれば必然的に国内フェアサプライチェーンが構築され、川上から川下までの非効率な流通構造が、技術革新とグローバリズムの限界を迎え大きく変革する時代の過渡期だとみています。

 

 

もう一度いう。

経営者とは、

一歩先を照らし(マスカマの大衆化)

二歩先を語り(デザインのフリー化)

三歩先を見つめる(底辺への競争の終焉)

 

 

と偉そうに語りましたが、冬はTシャツがあまり売れません涙

ロンTもあるのに・・・orz

 

 

早く春よこい!

来春はマスカスタマイジェーションの幕開けだ!

縫製の街からはじまるインダストリー4.0

経営者は夢を描け!

 

未知数のナインオクロックから今後も目が離せないw