香取正博のブログ

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【錬金術】良いモノに限界はない

すこし先日のブログの続きになるが、私は「良いモノ」に限界はないと思っている。
 
 
近年、良いモノがたくさん溢れており、むしろ悪いモノを探すほうが難しいことは感じている。幸か不幸か長引くデフレにより、安かろう悪かろうというものはあまりなくなってきたと思っている。
 
 
しかしそれでも「良いモノ」は成熟するわけではないので、良いモノやサービスにはまだまだ限界はないと思っている。
 
 
だからといって、安もんを買うなとか、ホンモノの良さがわからんのか?とか、安もんを売るなとか、そんな浅はかな事を言いたいわけではない。

 

衣食住を例にあげれば、
 
 
例えば衣料品でいえば、最上級の生地といわれているものがあるとしたら、もしかしたら今後さらなる生地を生み出すことができるかもしれない。どんな生地かはわからないが、全身タイツ1枚で真冬を過ごせる時代もくる可能性だってゼロではない。
 
 
例えば食料品、私が大嫌いな野菜でいえば、もしかしたら今後さらなる壁を超えた激うまの野菜を作ることができるかもしれない。どんな野菜かはわからないが、野菜嫌いもハマる超高濃度の野菜、一口で数日分の栄養価のある野菜を作れる可能性だってゼロではない。
 
 
例えば住居でいえば、もしかしたら今後さらなる高スペックな住居を作れるかもしれない。どんな住居かはわからないが、エコで薄い素材で気温を維持できて、真夏・真冬をエアコン無しで裸で生活できる時代がくる可能性だってゼロではない。
 
 
ペンひとつにしろ、細胞にしろ、まだまだ限界はないと考えている。現実的にいえばガソリンを使わない自動運転車が登場するのはもうすぐそこである。
 
 
しかしこれらを生み出すには、ただ普通にしているだけでは中々生み出せるはずがない。 
 
必ず「投資」をし続けなければならないだろう。
 
 
ただデフレ不況が長引くと、デフレマインドにより消費者の多くはまずは安さが大前提となる。
 
 
そうなれば生産者は、どんな付加価値を生みだそうともスペックのみでの差別化では「低価格の良いモノ」にはなかなか勝てない。
 
 
結局はコスト削減による「コスパ」ばかりを追求するようになり、差別化といっても「コト」ぐらいでしか付加価値とすることができなくなる。
 
 
するとコスト削減により短期的な利益を生まないものに「投資」をし続けることをしなくなるだろう。
 
 
この「投資」とは、技術・開発投資、設備投資、人材投資などになる。
 
 
しかしこの「投資」は、必ずしも成功するとは限らないし、下手をすると失敗となり投資金額が「無駄」となってしまう可能性もある。
 
だったらコスト削減により真っ先に削られるものは、儲かるかわからない無駄となるかもしれない「投資」ということになるわけだ。
 
 
「2番じゃダメなんですか?」なんて馬鹿な政治家もいたが、失敗したり何十年とかかるかもしれないが、次世代に残すと考えれば「投資」は決して無駄とも思えないのである。
 
 
ここで「錬金術」を思いだしてほしい。
 
 
錬金術は、金属から「金」を精錬するべく、莫大な金額と労力、時間までもが「投資」され続けていた。 
 

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しかしながら結局は「金」を創り出すことはできなかったため、錬金術への「投資」は無駄となってしまったように思える。
 
 
ところが錬金術への「投資」をし続けていく過程で、硫酸・塩酸・硝酸などの化学物質が次々に発見されたという。
 
 
「金」を精錬するという目的は達成できなかったが、錬金術への「投資」のおかげで将来への自然科学が発展したということがあった。
 
もちろん錬金術の例があるからといって「投資」し続けることにより「別の新たな成果が得られる」とは限らない。
 
 
ただリスクを取らずして良いモノが生まれるはずもないし、「投資」を削り、利益追求ばかりに優先すれば、良いモノが生まれる可能性は下がるだろう。
 
 
つまりデフレは、利益追求によるコスト削減への合理化と効率化を追い求める底辺へ突き進む競争なのである。
 
 
そう考えば「良いモノ」に限界があるはずもなく、あなたの商品・サービスにもゴールなんてないといえないだろうか?