香取正博のブログ

東京から岩手に移住して起業した香取正博のブログです

香取 正博のブログ

デフレでトゥギャザー(後編)

香取です。昨日に続きます。

 

皆様はフリスク200円とミンティア100円どちらを買っていますか?

 

私はミンティアですw

 

もしもミンティアの原材料を卸してるディーラーが、

さらに破格で卸してくれるようになったら?

 

ミントタブレット業界に野心家がいたなら、

ミンティアみたいななんかスースーするやつを50円で売るかもしれない。

 

パッケージを簡素化し、タブレットの中を無数に空洞化させれば、

ミンティアよりも原価率を下げることが可能になり、

さらにミンティア以上の販売数を上げれば、

低価格で需要のパイを奪えるので、結果的にシェアを奪い売上も勝つことができるかもしれない。

 

そして富裕層はフリスクを買い、中間層以下はなんかスースーするやつを買い、

ミンティアは市場から淘汰されるかもしれない。

 

このミントタブレット業界の仮説は、現在の美容業界だ。

 

そして私はミンティアだw

 

そのようなことが起こったら勝ち組は儲かるが、

生産者も消費者もデフレでトゥギャザーすると市場規模は縮小する。

 

市場規模が縮小するということは、GDPという国内総生産が下がる。

 

そして同時に、低価格なので消費者も消費金額が下がる。

 

消費金額はイコール販売価格なので、販売価格が下がると生産者側の所得も下がってしまう。

 

ということは、「生産」と「消費」と「所得」は3つともに、実のところイコールなのである。



頭を柔らかく考えていただきたい。

 

ディーラーが、安く卸せば1商品あたりの生産が低くなる。

美容師が、安く提供すれば1サービスの生産が低くなる。

 

生産側からの、この生産の合計が「GDP」である。



安く卸してくれれば1商品あたりの美容師の支出が低くなる。

安く提供されれば1サービスのお客様の支出が低くなる。

 

消費側からのこの支出の合計も「GDP」である。

 

さらに、

 

安く卸した金額は、必ずこの世の誰かの所得になる。

安く提供した金額は、必ずこの世の誰かの所得になる。

 

この所得(分配)の合計も「GDP」である。



この3つのGDPは常に必ず等しくなる。

 

生産面のGDP=支出面のGDP=所得面(分配面)のGDP



これをGDPの三面等価の原則という。



つまり1万円という付加価値を生み出し、売れたその瞬間1万円を誰かが消費する。

そしてその1万円は必ず誰かの所得に分配される。

 

その分配先は、労働者の所得、賃料代、広告宣伝費代、消耗品等の支払い先に分配され、

余ったものは経営者の所得となる。

 

カットカラー3500円という低い付加価値を生み出したということは生産面のGDPが低くなるということなのでイコール所得面(分配面)のGDPも低くなるということになります。

 

(※注 GDPは粗利の合計です。市場規模は売上高の合計です。詳しい解説は長くなるので割愛しますが、そう覚えておくだけで大丈夫ですw)

 

美容業者同士で低価格という低い付加価値の生産を生み、

 

支出をしなくてすんだ消費者を集客し、薄利多売で利益を得る。

 

そして市場規模低迷を受け、需要のパイの奪い合いが起こり

 

GDP三面等価の原則により、同時に美容師の総所得が減少する。

 

需要のパイの奪い合いはイコール所得のパイの奪い合いであるとはこういうことなのである。

 

この三面等価の原則を知ると、

 

過去の当ブログの全てが理解しやすくなる。

 

とくにこちらのエントリーのおさらいしていただきたい。

katorimasahiro.hatenablog.jp

 

デフレは物価の下落以上のペースで国民の平均給与が下がってしまう。

 

さらに様々な問題が起こってくるので今後も明らかにしていきたい。



低価格サロンが「悪」だといっているのではなく、



現在の悪性デフレが「悪」なのです。



ですので、低価格サロンにもう出店するな!と言うのは筋違いなのです。

(言いたいですけどw)

しかしながら美容業界および日本経済は、

 

デフレでトゥギャザーしている場合ではないのである。