ご訪問ありがとうございます。香取です。
4月も半ばですが、3月の繁忙期に比べ、売上が下がる?かもしれませんが、
それでも売上高をあげるには、単価UPのアプローチをする、店販を強化する、
新メニューを導入する、事前にDMやメルマガ等で販促する等色々ありますが、
売上高が多少下がっても利益を上げることができますよね。
コスト削減です。
暇だからといって人件費を下げる訳にもいかないので薬剤などの材料を節約したり、材料の発注を抑えて在庫負担を減らすなど、サロン努力で利益を上げることができます。
しかしサロン努力以外で低価格のサービスを供給し、利益をあげるにはさらなるコスト削減をしなければならない。
そのサロンにとってはコストを削減し利益が上がるのだが、その反対側で削減をされたのは誰であろうか。
必ずこの世の誰かがコスト削減にご協力をしている、または損をしている。
サロンだとやはり材料だ。
一般的なサロンでは一桁台の原価率だと思うが、
例えば当サロンが急に低価格を打ち出したら余裕で10%台に原価率が跳ね上がるだろう。
そこで大量に仕入れるので付き合いのある美容ディーラーと交渉することになる。
ディーラーとしても大口の買い手がいてくれたのならトータルで儲けられればいいということで大量に卸してしまうが、
ここに私は違和感がある。
たしかに安く卸してくれれば経営者にとってはありがたい。
しかし安く仕入れれば最終手段としてサロンは低価格を打ち出せる。
逆にいえば安く仕入れられなければ低価格にできない。
何度も申し上げるが美容業界は深刻なデフレだ。
デフレは供給>需要なのでオーバーストア状態で
サロンが増えつづければ格安美容ディーラーにとっては薄利多売でいいのだろう。
ディーラーは、カラー剤(1剤)を1本おおよそ300~600円で卸してくれる。
年間の納品金額で、値引率が変わってくるのだ。
(薬剤メーカーによってピンキリだが)
例えば、デフレじゃない環境だと、
(A)
カラー剤600円の商品を1000個売る。 合計60万円。
カラー剤300円の商品を2000個売る。 合計60万円。
前者と後者同じ売上だが、どちらが効率的で生産性が高いのかは火をみるよりも明らかだ。
(B)
8000円のカットカラーを100名に売る。 合計80万円。
4000円のカットカラーを200名に売る。 合計80万円。
とでも同じだ。
しかし「需要のパイ」が限られているデフレの環境だと、
(Ad)
カラー剤600円の商品が600個しか売れず。 合計36万円。
カラー剤300円の商品が2400個も売れる。 合計72万円。
(Bd)
8000円のカットカラーが60名しか売れず。 合計48万円。
4000円のカットカラーが240名も売れる。 合計96万円。
お分かりの通りデフレ環境だと前者より後者のほうが売上が高いのです!
デフレが深刻化すればするほどより顕著になる。
そして冷静に合計金額をみてほしい。
(A)の売上高は、120万円
(B)の売上高は、160万円
(Ad)の売上高は、108万円
(Bd)の売上高は、144万円
つまり、
デフレじゃない環境は、
(A) +(B )= 合計金額280万円
デフレの環境だと、
(Ad)+(Bd)=合計金額252万円
これが市場規模低迷の理由である!
デフレで需要のパイが限られている中では薄利多売の後者のほうが儲かってしまう。
そして市場規模が縮小する。
(※実際にはディーラーは卸売業なので市場の統計部門は異なる)
デフレは、モノの価格が下がりカネの価値が上がる、モノ<カネなので、
低価格のみで需要のパイを奪えるので、皆で安売りに走る。
安売りしたもん勝ちなのである。
そして安売りの中、ちょっとだけ質が良いと思わせられた者が勝者となる。
まさに低価格サロンはデフレの勝ち組であり、
メーカーやディーラーにとっても薄利多売で販路拡大し売上が上がれば
美容デフレで市場規模低迷については何とも思わないのだろう。
そしてさらに、消費者にとっても安ければうれしいのだろう。
まさにデフレでトゥギャザーである。
おさらいすると、
前者と後者、売れればどちらが効率的で生産性が高いのかは誰もが分かるはず。
フリスク200円とミンティア100円、売れればどちらが効率的で生産性が高いのかは誰もが分かるはず。
しかし、ミンティア100円のほうが販売数、売上高も高い。
そしてさらに現在では、
ミンティアみたいななんかスースーするやつが50円で売れまくる時代になっている。
トゥギャザーしている場合ではない。
明日に続きます。