おはようございます香取です。
ブログご訪問ありがとうございます。
さて美容師の雇用について先日も述べましたが、きちんとした雇用環境を整えてあげる。
これをすでに取り組んでいるサロンはもちろんあります。
一般の会社では当たり前の話なのですが美容業界は遅れをとっています。
最近、政府が検討している「雇用の流動化」と「解雇規制の緩和」というものがあります。
雇用の流動化とは、企業等の従業員が終身雇用といった形で固定的にずっと雇われているような状況ではなく、転職などが容易になってどんどん他社に移れるようになる状態の事を言います。
解雇規制の緩和は、企業側から解雇をしやすくし、従業員も望みさえすれば自由に移りやすくしようということです。
これは、終身雇用が確立されていない我々美容業界がすでに起こっていることだと思います。
経営者も美容師もお互いに終身雇用という概念がまずないに等しい。
美容師は30代までであれば比較的すぐに転職できる。
己のステップアップで賢く転職する者もいれば、
辞めグセがついて給料がよかったり働きやすいところに転職を繰り返す者もいる。
雇用の流動性の高い美容師は、何度か転職し行き着く先は低価格サロンだ。
日本はデフレだ。デフレは需要<供給である。
需要が供給に対して少ないわけであるから、ヒトがあまりいらなくなる。
そうなると失業率が自然と上がってしまう。
ヒトが余ってしまうと必然的に給料を下げてもヒトを雇うことができる。
ここで雇用の流動性を高めてしまうと、解雇規制の緩和によりさらにヒトが余っていくので
派遣やバイトとして雇いやすくなり、非正規雇用者が増える。
一時的には失業率は確かに下がるが、
結局は全体の総所得は下がっていき、雇用環境が整っている正規雇用者との格差が生まれる。
しかし現在の美容業界は、サロン店舗数がありすぎるのでヒトがあまり余らない。
自然と、雇用の流動化が起きているので現在の美容業界をみれば、
少なくともデフレ下である経済環境では、
雇用の流動化と解雇規制の緩和の是非について、私は懐疑的である。
とある大手人材派遣会社の社長は、
フリーターこそ終身雇用!
とおっしゃっています。
この価値観の違いはそれぞれあると思うが、現在の美容業界に近い概念です。
現在の美容師も業務委託という非正規雇用が多い。
私からいわせればフリーターだ。
しかしその業務委託、非正規雇用の美容師フリーターのほうが
効率よく稼げてしまうという状況に美容師の雇用問題の難しさがある。
それこそフリーターこそ終身雇用だ。
美容のデフレ経済にはいずれ必ず限界がくる。
市場規模減少、総所得の減少、技術の継承、などの問題を解決するためには、
低価格サロン以上の魅力的な終身雇用を見据えた雇用環境を整え、
美容業の市場規模を指標に、それぞれが美容業界の発展を目指さなければなりません。