おはようございます。香取です。
実は、去年から引退を決心していて、当サロンの売却情報をすでに載せていた。
まだ誰にもいっていなかった。いや言えなかった。
このままいけば3年後に淘汰される。
経営者の端くれながらそれは悟っていた。
市場から淘汰される前に、最悪の事態が起こる前に事業譲渡を考えていた。
しかし生き残るために、もう全てをやり尽くしたのかといえば、
NOだ。
なにせ私には美容に情熱があまりなかった。
さらに5年ほど前からやりたいことがあり、
サロンを経営しつつ、別の事業をやろうと考えていたのだが、
そんな舐めた気持ちでは、競争の厳しい美容業界、
さらに本物の美容師に勝てる訳がないと反省している。
その事はまた語りたいと思うが、
私が短期的に売上を上げる残された戦略は、
安売りするしかなかった。
しかし、私は低価格サロンをやりたくなかった。
当サロンの立地はかなり良かった。
とくに新宿店は、新宿三丁目駅徒歩10秒の一等地であった。
おそらく方向転換すれば客数は今より増え、売上も上がるだろうが、
低価格サロンは絶対にやりたくなかった。
(あっちなみに赤字ではないですよw繁盛店ではなかったですがw)
デフレ不況の現在、需要というパイは供給に対して小さい。
そうなると必然的に価格競争に陥り、
低価格サロンが台頭し、いわば需要のパイの奪い合いが起こっている。
さらに言えば、美容師同士の所得の奪い合いでもあるのだ。
自由な開かれた市場で、サロン同士で競争し合い、お客様のこないサロンは淘汰される。
それは市場がそう決めたのだから淘汰されて然るべき。
負け組は自己責任!
たしかに競争は大事である。
ただ私は、新自由主義的な方向になってしまっている美容業界にとても違和感がある。
市場の原理であり、間違ってはいない。
しかし、
私とは違い、本当に美容を愛し、心からお客様を綺麗にしたいという美容師がいたなら、
そんな素晴らしい美容師がもしも淘汰されたのなら、
私は許せない。
淘汰された美容師は、低価格サロンに業務委託で非正規雇用で働くのだろうか?
冒頭で述べた当サロンの売却情報を見て、独立予定の美容師が何人か見学に来られたのだが、
みなさん、低価格サロンで独立したいという。